板読み投資術
坂本慎太郎『 朝 9 時 10 分までにしっかり儲ける板読み投資術 』(東洋経済新報社、2017-07-27) 年収 1 億円ディーラーの投資術 板読みの基本の基本 板読み投資の基本テクニック 銘柄選びの基本テクニック 板読み投資の実践テクニック 最後はメンタル──テクニックよりも大切なこと 第 1 章:年収 1 億円ディーラーの投資術 「板が薄いから誰も売ってこないんだよ」 目から鱗とは、まさにこのことです。 私は、いつでも逃げられるように買い板の厚い銘柄を選んでトレードしていましたが、この先輩は、「買い板が薄くて逃げにくい銘柄だから、誰も売らないので株価が安定している」というロジックで、わざわざ買い板の薄い銘柄を選んでいたのです。 ときどき成行の投げ売りをしてくる投資家もいますが、それで株価が下げたときには、単なるイレギュラーによる売りだから、買えばいいというスタンスなのです。 この話を聞いたとき、これは株式投資の縮図だと思いました。 やはり、イレギュラーによって生じた株価のブレを取りに行くのが、トレードの基本です。そう考えると、この先輩のトレードは、究極の板読みではないかとも思えたものです。 何しろ、いまはここの買い板が無いけれども、いずれ株価が下がれば自然のうちに買い板が出てくるという考え方に基づいて、それに先回りしてポジションを取っているのですから、これは上級の板読みトレードです。 したがって、この先輩は常に 30 銘柄、50 銘柄というように、実に幅広い銘柄に分散投資していました。 たくさんの銘柄に買いを入れていくので、この先輩はまだ板がほとんど出ていないような、朝の 8 時くらいから、それこそ数百銘柄の板を見ていました。 そして引けた後、もう一度、数百銘柄の板を見ているのです。 こうして数千円、1 万円という小さな利益を積み重ねて、1 日の利益を生み出していました。 第 2 章:板読みの基本の基本 約定ルール(優先順位) 成行 より高い買い指値、より安い売り指値 より早い注文 強い板・弱い板 買い板の厚い板を選ぶのは、「確実に上がる」からではなく、いち早く他の買い勢に売り付けて逃げるため。 上がる目算の方は、売り板の薄さで選ぶ。 この双方での期待値的なイレギュラー度の高さ