Beginning Android Games(Android ゲームプログラミング A to Z)その 1
Android を始めとするマルチプラットフォームの Java 用ゲーム開発フレームワーク libGDX の創始者である Mario Zechner 氏の著書“Beginning Android Games”(邦題は『Android ゲームプログラミング A to Z』)だが、原著は 3 版が 2016 年、初版の日本語訳版は 2011 年に出版されたきりであり、いずれにしても、最新の Android API からは隔絶した内容のものとなってしまっている。 初版は 10 年を経過(!)しているので、Android API 以外の内容にも古さは否めないが、とはいえ原著の 3 版にしても、ごく一部の Android API に関する部分を 2016 年の時点に合わせて修正したのみで、本の構成内容自体は全く更新されていない。特に、初版の時点では、OpenGL ES の 2.0 が出始めたばかりで普及しておらず、OpenGL ES 1.x を対象にしたのはわかるが、版を重ねても、OpenGL 2.0 以降に対応させてはいない。1.x と 2.0 以降では大きな違いがあるので、そこを変えるとなると大幅な書き直しになってしまうからだろう。また、本を読む初心者にとっても、2.0 以降のプログラマブルシェーダーについての学習のハードルが加わることになり、Android ゲーム開発全般をテーマとする本書のスケールを上回ることになる。 この本の良さはそういった Android プログラミングで直接使える技術の情報源として以外の部分にあるので、依然として一読の価値ある本だと思う。Amazon ではほとんど送料だけみたいな価格で古本が売られていたりするので、興味が湧いたら是非、一冊入手してみることをお勧めする。 自己流ゲームライブラリーの構築 本書を参考にして、自分流のゲームライブラリーを構築してみようと思う。最新の Android API 対応は当然として、その他の要点は次の通り: 2D OpenGL ES 2.0+ Kotlin プラットフォームは Android 専用とし、インターフェース化してマルチプラットフォーム化を意識した設計にするようなことはしない。例えば、ファイル入出力なども、直接 Android API を駆使し、ゲームライブラリ...