伊藤園の投資指標について

2026 年 4 月期(連結)予想 EPS (2025-07-13 時点掲載のもの)

  • 伊藤園 IR 公式 6/2 の決算短信(要するに正解):135.72(前年度実績 117.50)
  • Fisco:135.72(前年度実績 117.50)
  • 株探:135.7(前年度実績 117.5)
  • マネックス証券(ログイン必要):135.72(前年度実績 117.50)
  • 楽天証券:コンセンサス予想 143.92(トムソン・ロイターからの情報提供)(前年度実績 117.50)
  • SBI 証券(ログイン必要):東洋経済新報社の予想 138.9(前年度実績 117.50)
  • Yahoo! ファイナンス:会社予想 189.78
  • IR Bank(Google 検索で上位に表示される身元不明の怪しいサイト):189.78(前年度実績 163.88)

Fisco・株探・マネックスは、素直に会社側予想を掲載。楽天や SBI はアナリスト予想を掲載しているようだ。

目も当てられないほど酷いのは IR Bank とかいう運営者の身元がよくわからない怪しいサイトだが、もっと酷いのは大企業が運営しているのにそれと同じレベルに陥っている Yahoo! ファイナンス。

IR Bank / Yahoo! ファイナンスの不正な数値の導き出し方

決算短信では通期予想純利益が 16,000 百万円(要するに 160 億円)とされている。一方、普通株式の前期末株式数は 85,212,380 株 とされており、ここから自己株式数 906,132 株を除くと、85,212,380 - 906,132 = 84,306,248 株となる。

純利益÷株式数ということで、16,000,000,000 ÷ 84,306,248 = 189.78 で、この計算結果は完全に IR Bank / Yahoo! ファイナンスの数値に一致する。

無茶苦茶で、素人が適当に決算短信にある数値を拾って組み合わせて計算しただけ、という話に過ぎない。普通株式以外に第 1 種優先株式(前期末で 32,246,962 株)があり、それらに帰属すべき分も合わせた全体で、160 億円の通期予想純利益の数値をシェアしている。勝手に、普通株式だけで純利益の全体の数値を使って EPS を計算してはならない。そんなことをしたら、不当に少すぎる株数で割っているのだから、そりゃあ、本来よりも 1 株あたりに直した利益が不正に水増しされて当然である。会社予想の 135.72 という情報を無視した挙句、勝手に計算して、水増しした不正な情報を EPS として世間様に発信しているという、ヤクザ仕事もいいところである。


日経と東洋経済

日経四季報オンライン(東洋経済新報社)ではそれぞれ EPS は掲載していないが、掲載されている連結予想 PER から逆算して照し合わせることができる。日経は PER 24.1 なので、会社予想の EPS 135.72 を使っていることがわかる。東洋経済は予想 PER 17.41 なので、予想 EPS を逆算すると 3271 ÷ 17.41 = 187.88 と考えていることになる。IR Bank / Yahoo! ファイナンスの不正な数値とほぼ同じ値になっていて、絶句……。SBI 証券が利用している同社の値(138.9)は比較的マトモなものなのに、これはなぜ?(それとも有料会員との差別化のために、非有料会員をハメようとしている?)


伊藤園 第 1 種優先株式(25935)の PER・配当利回り

どこのサイトにおいても伊藤園 第 1 種優先株式(25935)については PER 等の投資指標が表示されない扱いになっているので、自力で算出してやろうかと思って調べていたら、上記のように、そもそも普通株式(2593)の方も、情報サイトによって不正な値が堂々と提示されているという事態に遭遇したので、今回の記事をまとめることにした。

さて、問題の第 1 種優先株式(25935)の PER・配当利回りだが、公式に決算短信で示されている通り、予想 EPS 147.72(前年度実績 129.46)という値を使って計算すればいいだけである。先週末(2025-07-11)の終値が 1772 円だから、予想 PER は 1772 ÷ 147.72 = 12.00 となる。予想配当利回りは、60 ÷ 1772 × 100 = 3.39%。1500 円相当の優待利回りは、15 ÷ 1772 × 100 = 0.85%で、合計すると 4.24% となる。

(比較のため普通株式についても算出しておくと、予想 EPS 135.72 を使って、先週末の終値が 3271 円だから、予想 PER は 3271 ÷ 135.72 = 24.10 となる。予想配当利回りは、48 ÷ 3271 × 100 = 1.47%。1500 円相当の優待利回りは、15 ÷ 3271 × 100 = 0.46%で、合計すると 1.93% となる。)

第 1 種優先株式は、議決権が無い代りに、配当が 1.25 倍と優遇されているという話だが、配当利回りの点からすれば、1.25 倍どころではなく、圧倒的に普通株式(1.47%)よりも 2.31 倍も買い得(3.39%)である。普通株式は 3271 円で 1 枚(100 株 32.71 万円)を買って、もらえる配当は年間 48 × 100 = 4800 円。第 1 種優先株式は、約半額の 1772 円だから、何なら 2 枚(200 株 35.44 万円)を買って、それでもらえる配当は年間 60 × 200 = 12000 円也!

また、他社の食品セクターの銘柄と比較する場合は、PER が目安となる。普通株式の 24.10 は高すぎるというほどでもないが、決して割安でもない感じがする。グリコや寿スピリッツと同等程度。だが、第 1 種優先株式の方であれば、半額程度で買えてしまう(何なら普通株式を買う代りに 2 倍の数量を第 1 種優先株式で買えばいい)。第 1 種優先株式の方の PER は 12.00 だから、それこそ野菜飲料系のライバル企業であるカゴメ(18.6)をはるかに下回り、日清製粉や DM 三井製糖と同程度の数値である。決して割高ではないことがわかる。

このブログの人気の投稿

ニンゲンTVの 3 人の女性準レギュラー加入の件についてのまとめ

守護精霊の作り方

和歌山(?)の女性宮司の霊能力者を特定した