暴発する体外離脱
0001:名無しさん:2021/12/22(水) 22:01:36.69 ID:Lsb69WDI
今から3年前彼女(Aとする)が突如消えた。
Aとは、5歳からの知り合いで、中学2年生の時に付き合い始めた。
高校は違うところに行ったけど、それでも週に一回は会うようにしていた。
大学はAの方が頭が良かったため、俺は猛勉強して、Aと同じ大学を受けた。幸い受かることが出来て、ほんとに良かった。そうして、大学でも、一緒に過ごしていけると思っていた。0002:名無し百物語:2021/12/22(水) 22:24:28.47 ID:Lsb69WDI
ある時、Aのバイト終わりに、映画見ようって話になって、待ち合わせしてた。Aはバイトが少し長引いたようで、少し遅れてきたんだけど、すごく体調悪そうで、熱ぽかった。さすがに行けないなと思い、その日はAを自宅まで送って帰った。
しばらくして、Aに電話をかけたんだけど、全然でなくて、寝てんのかなと思ってた。そしたらしばらくしてAから電話が来て、出てみると、「森の中にいる!」とかいう訳わかんないことを急に言い出した。俺は最初は冗談だと思ってたけど、向こう側から聞こえる音が完全に家にいる音じゃなくて、
テンパったAを落ち着かせて、何があったのか聞いてみた。俺「どしたん?どこおるん?大丈夫?
」
A「わからん!家帰って玄関で倒れてそのまま寝たはずなのに、起きたら、森の中にいる。」
相当深い森なのか、回線がくそほど悪かった。終始部分的にしか聞き取れなかったが、多分こんなことを言っていた気がする。状況的には最悪だった。
圏外になるかならないかのギリギリの状況で電話をして、最終的には途中で切れてしまったし、位置情報も分からないし、手持ちはスマホのみだったらしい。しかも、23時頃という、かなり危険な時間だった。俺も相当焦っていたのか、その時はなぜ森にいるのかなんか気にしていなかった。それよりも、Aのあまりにも危険すぎる状況に頭がいっぱいだった。0006:名無し百物語:2021/12/23(木) 20:59:00.35 ID:14qmjHzh
続き書きますね。
俺は、どうにかしないといけないと思い、警察へ連絡しようと試みたが、そもそも、Aがどこにいるのかも分からない状況だったから、まずほんとにAが家にいないのかを確認するために、A宅に行った。0:00を回る頃くらいにA宅に着いたが、鍵がかかっていたため、合鍵で部屋に入ると、そこには何事も無かったかのようにAが玄関で横たわって寝ていた。やっぱりAのイタズラかと思い、かなり安心してた。
ぐっすり寝てたAを起こさないようにそっとベットに運んで看病した。もう終電もすぎてたから、A宅で泊まっていこうと思っていた時、電話がなった。発信者はAだった。
だけど、家にいるAの電話の発信ではなかった。
Aのイタズラかと思っていたが、まさかのAが2人いるという事実にかなり困惑したが、家にいるAのこともあり、電話のAは、何者か分からないまま、恐怖を感じながら電話に出た。俺「・・・もしもし?」
A「やっと繋がった...もしもし...」
俺「・・・Aなの?」
A「なにいってんの?それよりごめん。これ、最後の電話になるかも...」
俺「え?なんで?」
A「電波が届くところまで歩いてる間にライトずっとつけっぱなしだったし、ずっと俺に電話してたから...」
俺「...まじか。とりあえず今の現在地わかる?」
A「わかる。穴吹川?ってところにいる。」ちなみに俺とAの家があるのは福岡だ。
俺「どこかわからんなー。調べるけんちょっと待ってて。」
A「いや、ごめん。もう充電なくなる。できるだけ動かないようにしてるから、早めに助けに来て。真夜中の森に1人はやばい笑」
俺「わかった。絶対見つける。死ぬなよ?」
A「うーん。わからん!死ぬかもね笑。じゃあばいばい。」
俺「ばいば…プツ」やはり電話のAは確かにAだった。
根拠はないけど、絶対Aだと思った。電話も使えなくなった以上、Aの気持ちを考えると、ほんとにやばかっただろうと思う。
そんな中で笑っていたんだから、相当恐怖を我慢していたんだと思うと、今でも胸が痛くなる。穴吹川がある場所を探してみると、徳島県だった。
Aはなぜそんなところにいるのかは分からない。
でも、そんなことを考えてる余裕がなかった。
その後すぐに家の近くの交番から捜索願を出すため、準備をしていた時、ふと気づくと寝ていたAが、静かに布団から上半身だけ起こし、どこを見ているのか分からない目をしていた。
正直、死ぬほどビビった。
声をかけても返事がない。
自分の意識があるかも分からない。
どちらかと言えば、何者かに乗っ取られているような感じだった。
ほんとに恐怖で腰が抜けてしまい、逃げるように家を飛び出し、交番に向かった。
警官には、あまり紛らわしくならないように、Aがふたりいることは隠し、ただ1時間の間に福岡から徳島の穴吹川というところに移動していた。
という誰が聞いてもおかしなことを言い、頭おかしいんじゃないかと疑われていたかもしれない。
幸い、特異性のある失踪ということで受理されたが、危ないから、捜索は朝5:30から行うとの事だ。
当時の時刻は、午前1:00過ぎ、川のそばで、しかも秋でもあったことから、更には熱がある中だったため、死ぬほどど寒かっただろう。
普通なら死んでもおかしくない状況だ。0007:名無し百物語:2021/12/23(木) 21:01:34.72 ID:14qmjHzh
何とか無事捜索願を出し終えて、A宅に帰宅する。
が、玄関のドアが空きっぱなしで、少し違和感を覚える。
行く前はかなり焦っていたけど、ドアを閉め忘れるほどではなかった。
鍵をかけた記憶もある。
何かを感じた俺は、とっさに、家の中に突入する。
そこには家にいたはずのAいなくなっていた。
電話をかけても電話に出ない。
というかそもそも、どっちのAにかけているのかも分からない。
そう考えると、自分の連絡先にはAが一人しかいなくて、そのAは今徳島にいるのだから、家にいるAはAのはずがない。
そんなことを脳裏をよぎる。
だったら、最初から家にいたAは何者なのか、そもそも人間なのか。
そう考えると、途端にすごく怖くなってきた。
看病をした彼女が彼女じゃなかったと思うと。
しかし、それでもまだ、確実に決まった訳では無い。
あくまで憶測であったため、一応警察に連絡しようとしたが、同じ戸籍を持つものがふたりいる時点で、かなり不気味なのでやめておいた。
とりあえず、Aは車を持っていなかったし、靴も履いていかなかったようで、そんなに遠くに行っていないはずだということで、自分で探すことにした。
夜が明けて来た時間帯まで探したが、結局見つからなかった。
とりあえず、徳島にいる方のAの捜索時間が近づいていたため、Aの実家に連絡をして内容を伝えた。
自分でも何を言っているか分からないが、かなり現実的ではないことを言っていた。
Aが二人いて、1時間の間に片方のAが徳島まで移動していたこと、もう片方のAは現在行方不明ということ。
結局、A家の車で徳島まで行くこととなった。
途中、徳島県警からAが見つかったという連絡が入った。
これでやっと終わると思った。
午前11:00頃、徳島県警に着いた。
Aはかなり体調が悪いようで、見つかった時は、意識不明だったそうだ。
熱も酷く、足には無数の切り傷があった。
靴がない状態で歩いたのだろう。
幸い、他の病気とかは見つからず、1週間程度の入院ですっかり体調も戻ったようだ。
何があったのか詳しく聞いてみるも、玄関で倒れてたはずなのに、気がついたら、徳島の山の中にいた。
という、不思議とかの域を超えていた。
福岡から徳島まで車で6時間かかるし、ほかの交通手段も時間帯的に考えにくいだろう。
どう考えても、人間が行える犯行ではない。
一体どういうことなのか、結局今でも謎のままだ。
そして、家にいたAは一体何者だったのか。0008:名無し百物語:2021/12/23(木) 21:02:07.73 ID:14qmjHzh
そして最後に、1つ違和感がある。
無事に徳島で見つかったAについて、どこがという訳ではないが、何か違和感を覚えていた。
今まで一緒に生きてきたAとは何かが違う気がする。
何が違うのかはほんとに分からないが。
しかし、どうやらそれは俺だけらしい。
なのでそれは気のせいだと思い、今現在も仲良くくらしている。0009:名無し百物語:2021/12/23(木) 21:03:56.43 ID:14qmjHzh
これは本当のことです。
質問がある方どうぞ。
上手くまとめられなかったので、いつかまた出すと思います。
ありがとうございました0011:名無し百物語:2021/12/24(金) 19:03:38.99 ID:nCfobylO
ここは創作怪談板だから本当のことを書く場所ではないぞ
「彼女が消えた話」 0012:名無し百物語:2021/12/25(土) 01:14:32.07 ID:0GvhF+2D
オカルト板で書くべきなんですか?ごめんなさい。
これは体外離脱(厳密にはアストラル・プロジェクションの方ではなく、エーテル・プロジェクションの方のそれ)によるものと考えることができる。
徳島に行った方のAが本体であり、福岡の自宅にいた意識のない方のAが、彼女のプロジェクションされたエーテル分身である。ドッペルゲンガーというのも、このようなエーテル・プロジェクションによる現象として説明付けられ、(不思議な現象ではあるが)怪奇現象として都市伝説的に捉えるのはムー民的な短絡思考だろう。
また、これは、沖縄で言うところの、「魂(まぶや)落とし」としても説明できる。原因は不明だが、Aは、魂の一部を自室に落としてしまった状態になっていたので、元々体調もおかしくなっていた。バイトが終ってから様子がおかしかったと話者は述べているから、バイトの現場で何か「まぶやを落とす」ような出来事があったのかもしれない。だが、まぶやを落としていた場所は彼女の自室だったことから、事件が起ったのは、彼女の自室においてであったのだろう(ex. 自室で強盗に入られて暴行されるなど、彼氏である話者に言えないようなショックな出来事だった可能性もある)。つまり、「バイト上がりの彼女と会った」と話者は述べているが、その段階で既に話者が会っていたのは、エーテル投射された分身体のAであり、本物ではなかった可能性がある。なので、遠く離れた徳島に行く時間は十分にあったので、物理的な説明はつけることができる(すぐに超常現象で説明を付けたがるのは、比較的幼稚で安直なやり方である)。
ともかく、まぶや(魂の一部)を落とした状態だったので、自失状態になっており、A自身で意識せずに徳島へ移動していたと考えられる。同時に彼女が落としてしまったまぶや(エーテル分身)が、自宅で寝ている状態として、彼氏(話者)に目撃されていたのである。
〝まぶや組み〟(落とした魂の一部を本体に組み戻す儀式)をしなかったので、徳島でそのまましばらく入院しなければならないほど体調を崩したことになる。
だが、上で述べたように、まぶやを落とした原因が、自室で強盗に入られて暴行されるなど、彼氏である話者に言えないようなショックな出来事だった場合、それは単にトラウマを切り離したわけだから、むしろまぶや組みをしない方が良かったことになる。
彼氏(話者)が、退院後の彼女に感じた違和感は、そのように、まぶや(魂の一部)を切除したことによる、前後の変化なのだろう。
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