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伊藤園の優先株(25935)のヴァリュエーションを評価する

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伊藤園の PER・PBR・利回り等について、多くの専門情報サイトが、プロの大企業であるにも関わらず、無茶苦茶いい加減な間違った情報を掲載していることは 既に指摘した 。僕の推理では、伊藤園はソフトバンク、インフロニアと並んで、4000 弱存在する全上場銘柄の中では珍しい、普通株以外に 優先株 を並立して上場している銘柄であり、それが災いして、多くの専門情報サイトの開発・運営者が、株式市場に関係するプロなのに、そこの知見が素人同然だと、よくわからないまま杜撰なやっつけ仕事で処理しているのが原因ではないのか、ということであった。 この問題に気付いたきっかけは、 伊藤園の優先株 (第 1 種優先株式)に関する PER などの投資指標が、楽天証券にせよ SBI 証券にせよマネックス証券にせよ、表示すらされない「不明」扱いになっている状況である。通常の伊藤園の普通株の方は、特にヴァリエーション的に割安というわけでもないし(割高というわけでもないが)、利回りが高いという感じでもなく、ヴァリュー株かというと微妙な感じ。一方で、優先株の方を基準に伊藤園が割安(お買い得)なのかどうかを評価したいと思っても、これら証券会社が情報提供面での仕事をサボっているせいで、判断材料に欠くわけである。 ちょうど、楽天証券のアナリストの中で僕が一番信頼している 窪田真之 氏(同証券経済研究所の主任ストラテジスト)が、先日の動画で伊藤園の優先株のことを取り上げていた。そこでは、伊藤園の優先株について「利回り 3% 以上で配当利回りも高い人気優待銘柄の 1 つ」とコメントしていた。そこまでわかっているんなら、楽天証券の情報画面でも、ちゃんと優先株の利回り等の情報が表示されるようにして欲しいところだと思ったりもしたが。 2025-12-05 株価 PER PBR 配当 利回り 優待 利回り EPS (会社 予想) BPS 決算短信 ROIC (実績) 伊藤園 普通株 3020 22.25 1.88 1.59% 0.50% 135.71 1605 2026 Q2 6.16% 伊藤園 優先株 1802 12.20 1.12 3.33% 0.83% 147.71 カゴメ 2667 18.81 1.37 1.80% 0.75% 141.79 1943 ...

日経 225 と JPX 日経 400 構成銘柄の比較表

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日経 225 (N225)と JPX 日経 400 (N400)の構成銘柄の違いについて、比較表にしてまとめてみた。N400 の方が総数が多いので必然的に「N400 のみ」という銘柄が存在するのは不思議ではないが、一方でたまに「N225 のみ」というもの(ex. 楽天、武田薬品、資生堂、JR東日本など)も存在するので、パッと見で把握できるようにしたいと思った次第。 もちろん、TOPIX 系の指数としては JPX 日経 400 の他にも、 先物 の対象となっている指数が TOPIX ( Core30 )・ JPX プライム 150 も存在するが、いずれも 東証プライム市場指数 (スタンダード市場・グロース市場を除外した構成銘柄群)の動きとほとんど同じ(時価総額加重平均の結果、瑣末な中小型株の構成銘柄による差が出にくい)。なので TOPIX 系の代表として、日経との共同指数である JPX 日経 400 を選んでいる。 ちなみに、パフォーマンス面からすると、TOPIX に対して JPX 日経 400 はほとんど優位性がないようだ 註 1 。はっきりと優位性があるのは、TOPIX の上位銘柄群である Core30 や 100(= Core30 + Large70)のあたり。 註 2 # N225 N400 名称 1332 ✅ ✅ ニッスイ 1414 ✅ ショーボンド 1419 ✅ タマホーム 1518 ✅ 三井松島 1605 ✅ ✅ INPEX 1662 ✅ 石油資源開発 1719 ✅ 安藤・間 1721 ✅ ✅ コムシス 1801 ✅ ✅ 大成建設 1802 ✅ ✅ 大林組 1803 ✅ 清水建設 1808 ✅ ✅ 長谷工 1812 ✅ ✅ 鹿島建設 1878 ✅ 大東建託 1911 ✅ 住友林業 1925 ✅ ✅ 大和ハウス 1928 ✅ ✅ 積水ハウス 1942 ✅ 関電工 1951 ✅ エクシオ 1959 ✅ クラフティア 1963 ✅ 日揮 1969 ✅ 高砂熱学 2002 ✅ 日清製粉 2124 ✅ JACリクルートメント 2127 ✅ 日本M&Aセンター 2154 ✅ オープンアップ 2168 ✅ パソナ 2181 ✅ パーソル 2201 ✅ 森永製菓 2222 ✅ ...

日本ファルコムの支配権の行方

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支配株主である創業者の加藤正幸氏の 2024-12-15 の逝去により、公表(2024-12-17)以後、俄かに動意づいた日本ファルコム株(東証グロース 3723)だったが、そろそろ状況が固まってきたようなので、放っておいても四季報の情報に反映されるとは思うが、待ち切れずに自分で調べてまとめてみた。 2024-12-15 加藤正幸氏逝去。個人で 1150000 株(11.18%)、日本ファルコム HD を通じて 4160000 株(40.46%)を保有する他、子息 2 名(圭・翔)が合計 548400 株(9.67%)を保有し、創業家支配を磐石のものとしていた。 2025-01-17 創業家に次ぐ大株主である個人投資家の五味大輔氏が、正幸氏の訃報(2024-12-17)を受けて早速翌日(2024-12-18)から大量に買い増しを開始し、保有数が 5% を超えたことが、1 ヵ月後の大量保有報告書により明らかになった。 2025-09-19 創業家における相続内容が確定し、正幸氏個人の持株のほとんどが、子息 2 名(圭・翔)によって相続されたことが 、加藤翔氏の大量保有報告書により明らかとなった。 2025-11-20 五味大輔氏が Q3 決算発表(2025-09-24)前後にわたってさらに大量の買い増しを行っていたことが変更報告書により明らかになった。 2025-12-03 17:00 ファルコムによる自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による 自己株式の取得告知 がアナウンスされる 2025-12-04 11:00 ファルコムによる自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による 自己株式の取得結果 が発表される 大株主 株主 属性 株数 比率 潜在的 群狼 安定株以外に おける比率 自己株式立会外買付の 売り手が創業家の場合 比率 さらに自己株を 消却した場合 潜在的 群狼 安定株以外に おける比率 日本ファルコムHD 創業家 (安定株) 4160000 40.47% 安定株:6303900 安定株以外:3976100 4160000 40.47% 42.16% 安定株:5891400 安定株以外:3976100 加藤 圭 1073900 10.45%...

伊藤園(2593)の発行済株式数

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伊藤園の PER・PBR・利回り等について、多くの専門情報サイトが、プロの大企業であるにも関わらず、無茶苦茶いい加減な間違った情報を掲載していることは 既に指摘した 。僕の推理では、伊藤園はソフトバンク、インフロニアと並んで、4000 弱存在する全上場銘柄の中では珍しい、普通株以外に 優先株 を並立して上場している銘柄であり、それが災いして、多くの専門情報サイトの開発・運営者が、株式市場に関係するプロなのに、そこの知見が素人同然だと、よくわからないまま杜撰なやっつけ仕事で処理しているのが原因ではないのか、ということであった。 先日、伊藤園同様に、普通株に加えて優先株等(社債型種類株式)を 2 銘柄上場しているソフトバンク(9434)についても、同じ事態が発生しており、 不正な発行済株式数が堂々と掲載されている件 についてまとめた。そこで再度伊藤園に戻ってきて、伊藤園も発行済株式数に関して不正な情報が出回っている件についてまとめる。 伊藤園の発行済株式数(2025-04-30) 会社の 2025 年 4 月期末の 決算短信 に掲載されている 2025-06-02 時点の(要するに前期における)情報 普通株式:85,212,380 株 第1種優先株式:32,246,962 株 伊藤園の発行済株式数として各所で掲載されている情報(2025-11-27 時点掲載のもの) 伊藤園 IR 公式 9/1 の決算短信 (要するに正解):85,212,380 株(2026 年 4 月期 1Q)。優先株も 32,246,962 で前期末から変動なし。 Fisco :85,212 千株 株探 :85,212,380 株 楽天証券 :85,212,380 株(トムソン・ロイターの子会社 Refinitiv による情報提供) Yahoo! ファイナンス :85,212,380 株 日本経済新聞 :85,212,380 株 日本証券取引所( JPX ):117,459,342 株(日経の子会社 QUICK による情報提供)。優先株は 32,246,962 株。 SBI 証券(ログイン必要):HyperSBI 85,212 千株(東洋経済 会社四季報 7/31 85,212 千株) Fisco・株探・楽天証...

疑わしき移動平均の有効性

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日本のテクニカル分析では最もメジャーな概念が移動平均線だと思うが、理系の僕は昔から一定の不信感を抱いている。 ところで、先週末の木曜日(2025-11-20)、事前に警戒され注目を集めていた nVidia の好決算を受けた日本株市場の反騰があり、たまたま僕がウォッチしている 3 名の株式投資系 YouTuber 全員が、同日の N225(日経平均)のチャートについてテクニカルなコメントをしていた。 まず、草食系投資家ろっく氏の動画が、この動画においては N225 のチャートのテクニカル分析そのものをテーマとしていただけあって一番詳細かつ丁寧な解説となっている。 5 万円の節目がサポートからレジスタンスに転換 移動平均線(おそらく 25 日だろう)もサポートからレジスタンスに転換 対して、米国キャリアの投資 ch げんたろう氏 註 1 註 2 は、「5 万円の節目を世界中の投資家が意識する(からサポート・レジスタンスになりやすい)」と述べるに留まり、移動平均については触れていない。(2:50~) 最後にひげづら株チャンネルのひげづら氏。「25 日移動平均で抵抗を受けていて心配」と述べている。(11:02~) 彼ら 3 名、特にろっく氏とひげづら氏の動画を見ていて、自分の見ているチャートとの印象の違いに気付いた。 彼らの(25 日の)移動平均線は今や 支持 サポート から 抵抗 レジスタンス へと転換しつつあることを示しているわけだが…… 一方の僕のチャートでは、移動平均がむしろ、最近の下落での反発する底を形成した支持を見事に表現していたのである! (僕のオリジナルチャート。ただし、YouTuber 3 氏のチャートとは違い、2025-11-21 金曜日の足まで 1 本余分に含まれている点に留意) 何が違うのかというと、日本標準の 25 日移動平均に対して、中期線として 僕が愛用しているのは 20 日移動平均である という点が決定的な違いだろう。 註 3 例えばテスタ氏も「25 日移動平均は、意識する人が多いから、結構有効」という趣旨の発言をしているのを、切り抜き動画などを含めて頻見して知っているが 註 4 、理系の僕としては、「それはそれで一つの理屈だけど、20 日の方がも...

天井からの幽体X

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トクモリザウルスのヤースーが紹介する視聴者の投稿エピソード。父親が山で時折マムシを獲って(駆除して?)臨時収入を得ていた。ある時、道に飛び出てきたマムシの頭を車で轢き殺して捕獲したが、それを機に、その轢き殺したマムシに憑依されたような状態になり、自分から他の車の前に飛び出して危うく轢き殺されそうな行動を取ったという。地元では、山の主のマムシを轢き殺すと、殺した人間もマムシの呪いで轢き殺される、という俗信があったのだという。そんなわけで、「動物の呪い」というものはあるのだなあ、というエピソード。 霊視能力のあるヤースーは、彼自身の個人的な経験からすると(彼はペットでもせいぜい数週間で成仏してしまうと言っており)、動物が怨霊となって取り憑くという状況はあまり考えにくいと話すが「こういうエピソードを聞くとこれはこれでありうるのかな」と話して締め括っている。 僕の考察としては、そもそも「誰かが他の誰かを呪う」という発想は、人間同士の話であり、動物に対してもこの思考を適用しようとするのは、人間側の愚かなエゴ的な思考回路である。つまり、動物を殺した人間側のやましい精神(罪悪感)が、勝手に「(相手が)恨んでいる」という他責的なストーリーを作り上げているのだと思う。多分、殺された蛇(マムシ)の側は、とっとと転生して次の生に旅立っていると思う。相手の動物が恨んでいるのではなくて、結局は、動物に酷いことをした人間の側が、自らの殺生カルマの報いを受けているだけである。 だが、日本の伝統的な宗教やスピリチュアル業界においては、このような、動物霊やその禍々しい呪術的な現象は比較的まことしやかに語り継がれていて、特に、中国の道教的な呪術がルーツで陰陽道という形で日本に入ってきて定着している、犬神や蠱毒などの邪法が存在する。上述のエピソードの轢き殺されたマムシの〝呪い〟のような現象を、犬を虐待して殺すことで意図的に作り出そうという、悪趣味極まりない真似が犬神などの呪術なわけである。 さて、僕としては、こういう現象は現象としてはある程度「ありうる」とはヤースー同様、認めるものの、「動物が怨み呪う」という発想は考えるべきではないと思う。そして、具体的にはこの現象に対する説明は、「アストラル的なもの」という表現でメカニズムについての説明もできると思う。「動物が怨み呪う」などというメカニ...

エミン・ユルマズ 2026 年投資戦略

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楽天証券のイベントにおける講演: 金融相場と業績相場 :現状は金融相場が過剰に続いている状況 鉄鋼セクター・化学セクター・機械セクターに注目 :今期に対する来期の業績の改善度合いが大きく、自己資本比率の高く(50% 以上)財務健全な(借金が少ない)企業で、テクニカル的に長期(月足)低迷で陽線が 1、2 本発生したばかりの反発の兆しが見えてきたもの。 日経平均は 5 万円ステージ(40000 ~ 52000)のレンジ :さらにこのままストレートに 6 万を目指して行くことはないだろう。4 万円の底値を固めるステージがしばらく続く。ユルマズ氏がセクター選好で出遅れ好業績銘柄を逆張りしようとする理由はそういうことのようだ。 新 NISA ブームかと思いきや、統計データによると、日本人の家計の金融資産の現預金率はここ 1 年で 0.1% しか減少していない :インフレによる通貨価値の毀損・希薄化がどんどん進むのに、まだほとんどの人が現預金のまま放置し続けている。投資ブーム(大衆の株式相場への資金シフト)はまだ実際には始まっていない。まだまだ圧倒的に先行者利益にあずかれる状況。

さらばミソカ──また一つ阿部吉宏劇場の伏線が回収される

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先日(2025-11-07)のニンゲンTVにおいて、ミソカの仇である悪霊の最後の一人が退治された。これでミソカに関する伏線がめでたく回収されたことになる。 新人 AD 倉田ガルバの体内に秘密裏に憑依していた悪霊を〝泳がせ〟ていたような形で、その誘いに乗って廃ホテルの屋上に行った降魔師の阿部であったが、原田龍二が倉田ガルバの身体を確保した状態で、除霊を決行し、ミソカの宿敵であったその悪霊を退治することに成功。 どす黒い瘴気を漏らしながら悶え苦しむガルバ このようにしてついに、ミソカの悲願が達成されたのだった。 ミソカを胸に当て、感無量の阿部 ミソカと抱き合って感慨に浸っている阿部の壮大な心霊ドラマ劇場を尻目に、相変らずトンチンカンというか鈍感な反応を見せている原田や天野Dだったが、これで降魔師阿部吉宏を巡るドラマは(座敷童みやこも既に上仏済みであり)、原田頼みの六部(比叡山)に関する伏線を残して、全て回収されたことを意味する。