花嫁の亡霊の影

原田龍二の「ニンゲンTV」の最近の動画で廃墟となった結婚式場を探索するものがあった。

後編、降魔師の阿部吉宏によると、「階段の所に花嫁姿の亡霊がいる」とのことだった(最後に阿部が供養した)。

僕はこの動画を観た翌々朝、ある一つのヴィジョンを視てしまったが、おそらくこの花嫁の亡霊ではないかと思われるもので、頭に被った白無垢から覗いた顔が、マネキンのような眼を見開いた顔に銀色の塗料で塗ったようなつるっとした顔(cf. 岡本太郎の『太陽の塔』の顔)の映像だった。

阿部吉宏本人の眼に、幽霊の姿がどのような映像で視えているのか、僕には知りようがない。たとえ視ている対象が同じものであったとしても、必ずしも、万人に共通の姿で視える必要はないとは思うが、僕には一見して、生者の姿ではないということを感じさせる姿であった。僕にも霊感・霊視能力があるのかどうか、ただの夢だったのか、それを答あわせしたい気持は山々ではあるが、一視聴者に過ぎない自分には望むべくもないことである。

「ニンゲンTV」の阿部の言動については、こういった体験を僕は他にもしている。以前、記事にした、心霊スポット「廃神社いもんた」の〝神霊写真〟だが、あの写真に捉えられた神霊の姿のように、一瞬、脳裏をよぎるような形のヴィジョンが、霊視というものではないのかと思うのだ。一般に考えられている心霊写真の映像のような、何か恐ろしいそこに物理的にあってはならない存在が映り込んでいるような超常現象的なイメージとは違う。いもんたの〝神霊写真〟にしても、実際は服の皺と影によって偶然的に形成された映像であった。ただ、物理的には偶然的であるとはいっても、それが、阿部の説明通りに、その言葉を裏付ける場所とタイミングと形体でその姿が出現した点が、常軌を逸しているのである。

YouTube のお勧め動画で、他のオカルト系チャンネルで、同じ廃墟の結婚式場(兵庫県の「吉祥苑」という所らしい)を、「不動貞尊」という霊能者(肩書は〝霊話師〟)が探索するものがあって、「ニンゲンTV」のケースと比較するために視聴した。ただし、2021-04-10 に公開された動画であり、「ニンゲンTV」よりも 2 年前のもので、時期的にかなり隔っているので、単純な比較はできない点に留意。

動画の 2:36 あたりから見えている、柱の壁紙が剥がれた状態が、まるで純白のウェディングドレスを着た女性が左を向いた姿のように見えるのは、偶然だろうか? 阿部が霊視・除霊した、花嫁の亡霊が存在をアピールするために、そのような剥がれた壁紙の状態を作り出していたのだろうか?

もちろん、心霊写真を期待する人々の考えるような、物理的にそこにあるはずのないものが映り込む系の超常現象的な映像ではない。それ自体はただの剥がれかけた壁紙である。しかし、2 年後の阿部の霊視を裏付けるものが状況証拠的に見えているということに、僕は驚きを禁じえないのである。

不動貞尊という人は、〝霊話師〟を標榜していてどうやら聴覚を主とする霊能者のようであり、阿部とはまた趣きの違った反応を見せているので、霊能者の比較の点でもこれはこれで興味深い動画となっている。2 年という時期の隔りのせいもあるだろうが、原田・阿部の場合は地下で特に霊に反応していなかったが、不動貞尊の場合は地下をかなり念入りに探索していた。

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