ソフトバンク(9434)の発行済株式数

伊藤園の PER・PBR・利回り等について、多くの専門情報サイトが、プロの大企業であるにも関わらず、無茶苦茶いい加減な間違った情報を掲載していることは既に指摘した。僕の推理では、伊藤園はソフトバンク、インフロニアと並んで、4000 弱存在する全上場銘柄の中では珍しい、普通株以外に優先株を並立して上場している銘柄であり、それが災いして、多くの専門情報サイトの開発・運営者が、株式市場に関係するプロなのに、そこの知見が素人同然だと、よくわからないまま杜撰なやっつけ仕事で処理しているのが原因ではないのか、ということであった。

今回、伊藤園同様に、普通株に加えて優先株等(社債型種類株式)を 2 銘柄上場しているソフトバンク(9434)についても、同じ事態が発生しているようなので、自分用の備忘を兼ねてまとめておく。

ソフトバンクの発行済株式数(2025-03-31)

会社の公式ページに掲載されている 2025-03-31 時点の(要するに前期における)情報

  • 普通株式:47,751,490,700 株
  • 第1回社債型種類株式:30,000,000 株
  • 第2回社債型種類株式:25,000,000 株

ソフトバンクの発行済株式数として各所で掲載されている情報(2025-10-28 時点掲載のもの)

  • ソフトバンク IR 公式 8/5 の決算短信(要するに正解):47,814,281,700 株(2026 年 3 月期 1Q)。前期末からの増加分(62,791,000 株)は新株予約権の権利行使に伴う新株発行によるとの説明もあり。
  • Fisco:47,814,282 千株
  • 株探:47,908,265,700 株
  • 楽天証券:47,908,265,700 株(トムソン・ロイターの子会社 Refinitiv による情報提供)
  • Yahoo! ファイナンス:47,908,265,700 株
  • 日本経済新聞:47,908,265,700 株
  • 日本証券取引所(JPX):47,963,265,700 株(日経の子会社 QUICK による情報提供)
  • SBI 証券(ログイン必要):HyperSBI 47,869,303 千株(東洋経済 会社四季報 7/31 47,832,048 千株)

伊藤園の場合同様、Fisco は、素直に決算短信に載っている情報を(人手で拾って)掲載する体制になっているようで、千株単位に値が丸められているが、基本的には正解である。

株探・楽天証券・Yahoo! ファイナンス・日経がすべて同じ値で、本当の値(正解)よりも 93,984,000 株も多い。楽天証券以外は、出所が明記されていないが、要するにトムソン・ロイターの子会社 Refinitiv によるもの、ということだろう。

さらに見物なのが、東証の親玉(胴元)たる JPX のそれで、日経の子会社である QUICK の情報を使っているようだが、この値はちょうど、Refinitiv の値に、55,000,000 株を追加した値になっている。つまり、こともあろうに、QUICK は、普通株の株数に、社債型種類株式の株を合計した値を、普通株の発行済株式数として扱っているのである。QUICK が自前で情報を管理せずに、海外の Refinitiv からの提供を受けているであろうことも情けない話だし(日本の経済メディア界を代表する日経にしてこれだから、そりゃあデジタル赤字は垂れ流される一方だわな)、(そもそもの Refinitiv の情報も間違っているわけだが)さらにその値を加工してもっとおかしくしており、そうしてそういう QUICK の情報に頼っている東証の親玉(胴元)たる JPX……。

あともちろん、親会社であるソフトバンクの IR 情報もまともに掲載できない Yahoo!、ええんかそれで? というのもあるけど……。

最後に、SBI 証券等が使っている東洋経済の会社四季報 7/31 の情報というのも正解ではないが、Refinitiv ほど酷い値ではなく、それよりはずっと正解値に近い。HyperSBI の値もおそらく、四季報の値をベースにしているのだろうが、どういう計算でそうなっているのか不明。


結論

結局「(人海戦術とおぼしき)Fisco しか使えん!」ということになったわけだが……。

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